前回は、企画の流れについてお話ししました。
「収集」 → 「整理」 → 「伝達」 → 「実現」
という4つの課程で、企画は実現していくという説明をしましたね。
今回は、その第一段階の「データ出し=収集」について、お話しし
たいと思います。
まず「データ出し=収集」段階の役割とは、「企画」を立てるにあ
たって必要となる「材料」を集めることにあります。
例えば料理について考えてみましょう。
皆さんは、やみくもに料理を始めて、後から材料を買いにいく、と
いうようなことは、まず、ありませんよね?
(たまには、買い忘れた!なんて言うことはありますけれど。)
「企画」も同じことです。
いきなり「企画書」を書き始める前に「企画」に必要な材料を全て
集める必要があるのです。
スパイスとしての最後の仕上げは、後から追加も可能ですが「企画」
本体に必要な材料は、全てこの段階で集めなければなりません。
カレーのルーだけを完成させてから、最後に玉ねぎや肉をいれても、
美味しくないですし、生煮えの状態になってしまうかもしれません。
そんなカレー、食べたくないですよね?
つまり「企画書」を書き始めてから、後からどんどん情報を追加し
ていく、という行為は、せっかくの情報を「企画」と馴染まなくさ
せてしまい、素材を台無しにしてしまうのです。
また、良くある例として、こんなこともあります。
「企画書作成」の段階や、場合によっては「プレゼン」の段になっ
て、ついつい面白いアイデアを思いついてしまい急遽、情報を追加
した、なんていうケースです。
これは例えて言うなら、麻婆豆腐を作っていたら、お隣さんから新
鮮な魚をもらってしまったので、もったいないから麻婆豆腐に入れ
ちゃった、というようなものです。
こんな料理を出された人は、そもそもおいしくない、という問題も
ありますが、これって一体何料理なの?と困惑することになります。
麻婆豆腐も鮮魚も、素材としてはとても良いものです。
しかし、それらを統一感無く、やみくもに一緒くたにする、という
行為は、それぞれの素材の良さを打ち消し合い、全てを台無しにし
てしまうのです。
もしも料理ならば、こんなことをする人は滅多にいないと思います
が、これが「企画」の世界になると、なぜか頻繁に起こってしまっ
ているのです。
「これって何の企画?」
ごった煮の企画書は、口に出して言われなくても、たいがいこんな
風に思われています。
皆さんもきっと一度くらいは、心当たりがあるのではないでしょう
か?
企画書を作った本人は、そんなことを言われたり、思われたりして
いるなんて、思ってもみませんが、企画を聞いている方は、そんな
素朴な疑問を抱えていることが、意外と多いものです。
「なんだかよく分からない企画」にしないためにも、この「データ
出し=収集」の段階で、万全を期して徹底的に材料を集めましょう。
そして「データ出し=収集」の段階は、さらに、2つのフェーズに
分けることができます。
企画者本人の内部から「データ出し」を行う《アイデア発想》と
企画者の外部から「データを収集」する《リサーチ》です。
「アイデア発想」というと、天才のひらめきのように、どこかから
新しい思いつきを出してくる、といったイメージをされる方も多い
かもしれませんが、本来「アイデア発想」とは企画者である、本人
の頭の中にあるデータを引き出す作業にすぎないのです。
「何か、良いアイデアない?」といった会話を、企画のミーティン
グで聞くことがありますが、こんなことをやっているようでは、ま
ず、良い企画、なんていうものは出てきません。
「アイデア発想」をする前に「どんな発想ツールを使ってアイデア
出しをするのか」を、先に決めてから進めない限り、せっかく自分
の頭の中に存在しているアイデアの要素も、死蔵されたままになっ
てしまうのです。
自分はそんなに発想が豊かな人間ではないので、アイデアをもって
いません、と思われる方も中にはいるかもしれません。
それは間違いです。
アイデアとは、突拍子も無い思いつきや、天地をひっくり返せるほ
どのずば抜けた発想を指すわけではありません。
いま「企画」をたてる必要のある案件について、現状存在している
さまざまな情報を、地道にあれこれ組み合わせていく、ただそれだ
けの作業なのです。
つまり、あなたの頭の中には、あなた自身が気づいていないだけで、
アイデア発想の元となる要素が、必ず、存在しているのです。
しかし、ただうんうん唸っているだけでは、その要素をアイデアと
して出力するのはとても困難です。
そこで、世の中には「アイデア発想ツール」というものがあるので
す。
いまや「アイデア発想ツール」は、世界中でいくつもの手法が開発
されていて、まずは、より多くのツールを知っていることがより良
い、たくさんの「アイデア」を引き出す際の強みとなります。
料理をする時に、果物ナイフ1本しか持っていない人と、菜切包丁も
肉切包丁も、刺身包丁も、ピーラーも、ミキサーも、おろし金も持っ
ている人とでは、料理の幅も、出来映えも、美味しさも変わってき
ますよね?
あなたの頭の中にある要素を、より洗練された「アイデア」として
引き出すためには、それなりの「ツール」を持っていることが必要
なのです。
さらに、材料や料理に合わせて、素材を輪切りにするのか、千切り
にするのか、すりおろすのか、が変わってくるように、「企画」に
おいても、どんな「アイデア」を発想したいのかによって、使うべ
き「アイデア発想ツール」が、変わってくるのです。
つまり「アイデア発想ツール」をただ知っているのではなく、それ
ぞれのツールの特徴、使い方、どんな時に使うと良いのか、といっ
たことを合わせて知らなければ、ツールも宝の持ち腐れです。
「代々木よりみちセミナー」の「アイデア発想」の講座で、たくさ
んの「アイデア発想ツール」と、その特徴や使いこなし方を勉強す
るのも、こういった理由からなのです。
数ある「アイデア発想ツール」をひとつひとつ特徴や使いこなし方、
どんなアイデアに向いているのか、などを詳しく解説しています。
次回は「整理」段階である「企画書の作成」について、お話しした
いと思います。
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ITと心理を得意とする事業開拓者。
大槻美菜