起業家インタビュー
島根太郎社長
キッズの理想の放課後を作る、学童保育事業
株式会社キッズベースキャンプ
三原邦彦社長
主婦に特化した人材サービス起業
株式会社ビー・スタイル
遠山正道社長
食べるスープの専門店
「スープストックトーキョー」運営
株式会社スマイルズ
玉井勝善社長
WEBインテグレーター
株式会社SORA
株式会社スマイルズ 遠山社長
じゃないとできない。
今の世の中、需要と供給でいうと、供給が需要の何倍もあって、物があふれているし、飲食店だってそうです。その中で、普通にやってもうまくいかないと思った方が良いと思うんですよ。
それにはやっぱり「やる意味」とかがないと、周りを巻き込んでいけないわけだから、みんなで一緒にやるものに、納得性がないといけない。
そうです。
ただ、分かりやすくて、格好よくないといけない。
ベキ論だけを言っても、そんなの誰かが勝手にやればいいという話になってしまう。
やっぱりそこは面白くて、チャレンジングで、すげー、みたいなものは必要なんです。
「意義」だと思います。
仕事はどっちかというと大変なことの方が多くて、スープだって毎日毎日立ち仕事だし、単純作業の面もある。
そんな中でみんな 10年がんばって続けていられるのは、なんか「世の中の体温が上がれば」とか、「女性が一人で行けるところがなかったよね」とか、そういう「意義」みたいなものがあるからです。
儲かる、とか、格好良い、とかだけだと、続かないと思うんです。
本当に大もうけできて、というのはそれはそれで悪い話じゃぜんぜんない。
でも、ダメになってきた時に、なんでやってるんだっけ?みたいな話になってしまう。
儲かるはずだからやってるんだ、となると、その倍、損する可能性だってあるわけだし、リスクは当然いつもある。
だったらやめとこうよ、みたいな、ことになりますよね。
自分の「手持ちカード」と、「世の中」との、良い掛け合わせを見つけて欲しいですね。
例えば私の場合、「アート」という切り口、つまり、「アート」という「手持ちカード」があります。
でも「アート」と言っても、アート業界から見たら、それで食べていけるわけではないし、別にすごく詳しいわけでもない、
だけど、ビジネスというフィールドの中においては、「アート」とは、自分で考えた美しいものや想像しているものをカタチにしていく、ということだったんですね。
そういう意味で言うと、「事業」と「アート」はとても似ていて。
今のは「アート」という切り口でしたが、例えば私は、「東京の青山で生まれた」ということを、やはり一つの「カード」にしているんです。
「遠山さん青山で生まれて、羨ましいな」って思うかもしれないけど、僕にはそれしかないから、そのカードを握りしめているんです。
例えば、北海道で生まれた人だったら、窓を開けると山があって、その水がおいしくて、とか。
あるいは、親は岩手県で農家をやっていて、一声かければ村のみんなが集まってくれます、とか、そういう方が、格好よかったりしますよね。
カードは「オレはこれしかないんだ」という思い込みでも良いと思うんです。
私にとって「青山生まれ」はひとつの「カード」なんです。
そして「ファーストフード」は、私からすると、前は「格好よかった」のに、今は「安かろう悪かろう」になってしまった。
でも、悪い物は良くなれば価値になるから「ファーストフード」を自分のカードにして、もっとこうすれば良いな、とか、思い始めたんです。
「自分のカード」と「世の中の動向」とか「やるべき」みたいなことがうまくかみ合うと、独自の切り口になるし、もともとうまくいかないことでも、踏ん張ってやっていけるようなものにもなっていくと思うんです。
だから「自分のカード」と「世の中」との、良い掛け合わせを見つけて欲しいですね。
編集後記
インタビューを終えて、遠山社長はアーティストとしての表現欲求と、ビジネスマンとしてのリスク管理のバランスがとてもとれた方だと思いました。
起業のきっかけは絵の個展にあった、とおっしゃられている通り、遠山社長は、ご自身の絵で個展を開催できるほどのアーティストでもあるのです。
得てしてアーティスト気質の人は、自分が表現したいものを優先させるあまり、商業としての観点を忘れてしまう傾向にあります。
しかし、遠山社長はご自身の思いを追求しながらも、常に周りとのつながりを大切にされていました。
私も経営者として、遠山社長のバランス感覚を、ぜひ学んでみたいと感じたインタビューでした。
*追伸*
遠山社長は、スープストック東京を立ち上げてから軌道にのせるまでの様子を綴った本を書かれています。経営の参考書として、一読をお薦めします。
スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る